2024.04.19 行政書士法令アドバイスコラム
行政書士の活用方法
1.申請取次行政書士とは
出入国在留管理局への申請の取次をすることができる行政書士のことを「申請取次行政書士」といいます。申請取次行政書士は、行政書士会を経由して地方出入国在留管理局長に届け出ることにより登録されています。入管業務は、めまぐるしく変わる法律や運用を把握し、研鑽を積まなければならない専門性の高い分野です。行政書士にご相談の場合は、入管業務の経験値や知識がある申請取次行政書士かどうかをまずは確認していただくとよいと思います。
2.申請取次行政書士の役割とは
(1)専門的な知見の提供や方向性の案内
行政書士へのご相談は、外国人雇用のどの段階からでもしていただくことが可能で、その状況に応じた的確なアドバイス(専門的な知見の提供や方向性の案内など)をすることができます。ただし、できれば、採用者を決める前に、どのような条件で選んだらよいか、どのようなタイムスケジュールで動いたらよいか等について、あらかじめ助言を受けていただくのが安心です。
外国人雇用に関するよくあるご相談は次の通りです。
・手続の流れが分からない。どのような段階を踏めばよいか分からない。
・どの在留資格(ビザ)が該当しているか分からない。方向性が分からない。
・会社としてどのように体制を整えたらよいのか分からない。
・手続のための必要書類が分からない。
・入管の許可を得るための効果的な資料の作成や準備の仕方が分からない。
・申請書類の書き方が分からない。
・外国人採用後、手続面でどのようなことに気を付けたらよいのか分からない。
最も危険なのは、このような不安を抱えたまま、インターネットや知人からの曖昧な情報を鵜呑みにしてご自身の判断のみで突き進んでしまうことです。採用を決定した後、いざ入管へ申請するときになって法律的にマッチしないことが判明したり、ご自身で申請して不許可になったりという悲しい結果になって、私たち行政書士のところに駆け込まれることがよくあります。失敗した後からではリカバーが難しい場合がありますので、リスクを洗い出しながら軌道修正できるようにしていくためにも、早め早めに専門家の助言を得ながら進めていただくとよいと思います。
(2)書類作成や申請のサポート
また、行政書士は、豊富な知識と経験から、できる限り入管が求めるものに沿った合理的な書類作成をお手伝いすることが可能です。的外れな資料の提出、必要性のみの主張や感情論だけでは、通るものも通らない恐れがありますので、注意が必要です。
このように、申請取次行政書士は、依頼者に代わって書類を作成し提出することによって、複雑な入管手続を迅速かつ円滑に行うことができます。外国人や雇用主にとって利便性があることはもちろんですが、入管側にとっても効率よく審査を進めることができる点で大きなメリットがあるといえます。
岐阜県行政書士会 業務部国際部会